業務案内(実績)

◆街並み景観のデザインマネジメント

歴史的に由緒がある街や一体的に開発された街は別として、多くの街にはまとまった特徴を見ることができません。景観は大事であると認識されていても、何を景観的な特徴とするかは街に暮らす人々の価値観に委ねられています。色や形、素材など目に見える建築的要素は、所有者の嗜好に左右されますし、店舗であれば、広告宣伝の素材も建築の外観に影響を与えます。

こうした目に見える景観要素についてまとまりをつくるためには、街ごとにルールが必要であり、ルールの適用については文言での可否チェックではなく、デザイン上の創意工夫の余地をもつ必要があります。

汐留シオサイト5区・イタリア街では、地元団体であるNPO法人コムーネ汐留とともに東京のしゃれた街並みづくり推進条例の街並み景観重点地区としてデザイン・ガイドラインを運用して街並みの形成・保全活動に携わっています。建物の建設、改修だけでなく、植栽や屋外広告物についても協議の対象とし、関係者による話し合いのなかから個々のデザインと街並みとの調和を探る取り組みを行っています。また、イタリア街の特徴である公共空間との一体的な公開空地のデザイン誘導を図るため、地区計画の運用とも連携しています。

汐留イタリア街

汐留シオサイト内の中小運送業者を中心とする地元住民による5.5haの街づくり。新規建物はデザイン・ガイドラインにてデザイン誘導を行う。敷地規模が多様であることから、大規模敷地に対しては公開空地の配置も誘導の対象としており、必要に応じて調整のためのガイドラインを作成することで、きめ細かい対応を図っている。最終的なデザイン決定については、街並み模型等で検証し、関係者で合意するようにしている。

調整ガイドラインの作成
デザイン協議(模型などで検証)

中心広場からの建物正面の見え方を考慮し、建物完成に至るまで色・材料等を調整

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